裏面のすっきりしたキーボードは好きですか?
裏面の出っ張りが気になる
サンドイッチ構造でキーボードを作る場合、基板の表と裏のアクリルパネルをネジで固定するのが一般的だと思います。この場合、ネジの先端にはナットを使うので、キーボードの裏面にはネジの頭かナットが飛び出ることになります。
この出っ張りを何とかしようというのが今回のお題です。
ちなみにお店で売っているキーボードやノートパソコンの場合、底面のネジの頭が出っ張らないようにネジ穴の周辺が少し削られています。これと同じことができれば良いのですが、アクリルのレーザーカットでは多分できません。
なにか方法はないかと考えてみましたよ。
案1 アクリルのネジ穴の周辺を自分で削る
ネジ穴より少し大きめのプラスドライバーでグリグリやれば削れます。
一応やってみましたよ。できましたが手が疲れます。
アクリルが薄くなって強度も落ちる気がするので、お勧めはしませんが。
案2 スペーサと合体させてナットを隠す
前提として、ネジはキーボードの表側から裏側に通すので、裏面にはナットがあります。
まず、底面のアクリルパネルのネジ穴を広げます。穴サイズはナットが通ればOKです。
それ以上は広げすぎないように。
次にアクリルでスペーサを作ります。スペーサにもネジ穴をあけますが、こちらのネジ穴は普通サイズです。ネジの胴体部分が通る大きさでOK
このスペーサと裏面のアクリルパネルを接着します。すると、ナットが裏面のアクリルに埋もれます。
スペーサの大きさはどのくらい?
ネジ穴の大きさではなくスペーサ自体の大きさです。
これは裏面のアクリルと接着するのに必要な面積となります。平たく言うと接着剤を付ける場所です。
私は瞬間接着剤を使いましたが、直径10mmで十分でした。
大きくすれば作業がしやすいのですが、基板裏側の部品と干渉するとNGなので、基板の裏面とよく相談してください。ダイオードなど部品の位置調整が必要になるかも知れません。
スペーサの位置合わせと接着
意外と苦労したのでメモです。
スペーサと裏面のアクリルとの位置合わせですが、同心円状に固定する方法を考えます。
撮影用にアクリルの保護紙を付けてあります。作業の前にはがしましょう。
- 一番下に基板を表向きに配置
- 基板の下から上に向かってネジを通す
- 基板の上に裏面のアクリルパネルを重ねる
- さらにスペーサを重ねる
- ナットを通して軽く締める
- すべてのネジ穴について1~5を実施
これで全体の位置合わせができます。
接着する時は1つずつナットを外して、スペーサの裏面に少量の接着剤をつけてから元に戻します。
接着作業は難しくないですが、ネジまで接着しないよう、接着剤の量に気を付けてください。
なお、普通の接着剤をアクリルに使うと溶けたりヒビが入ったりします。お手元の接着剤の説明書をご確認ください。今回の作例では細かいヒビが入ってます。割れたりしないので使用には問題ないですが。
私は持ってませんが、アクリル専用接着剤だと金属は接着しないようなので、手軽で仕上がりも良さそうです。
まとめと注意点
裏面の出っ張りがなくなってすっきりしました。簡単な方法ですがなかなか思いつかず、試行錯誤を重ねました。
注意点ですが、ナットがアクリルパネルに隠れるためには、ナットの厚みがアクリルより薄い必要があります。M2ナットと2mmのアクリルパネルとの組み合わせならOKですが、先日紹介したPPシートを使う場合はこの方法は使えません。
あと、必要なネジの長さは基板裏のアクリルパネルの分だけ短くなります。写真の自作キーボードでは従来10mm長さを使っていましたが、裏面すっきりに替えたら8mm長さになりました。